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Tag: 真田十勇士

どくしょかんそーぶん。

由利りん古書店を渡り歩いて探し求めた本の見つかる、あの感動も得難いものがありますが、クリック一つで欲しい書籍が手許に届く、ネットはやっぱり便利ですね…。
『女紋』は、私がまだ乙女の時分から読みたい読みたいと言っておった書籍でして、講釈師玉田玉秀斎、内妻山田敬らの『立川文庫』刊行に関わる、あれやこれやの実伝小説です。
明治・大正期の大衆文学史上に貴重な資料として著名で、ホントにずっと読みたかったのですが、それ以上に物語として、とても引き込まれるものでした。
本日念願かなって一気に読み終えましたが、読了後に胸に込み上げる、ぐっと熱いものは筆舌に尽くし難いものがあります。
そして本文はもちろんですが、この、あとがきにたいへん思うところがありましたので、チト引用を。

(前 略)私どもがたくさんに創造しました勇士たちのうちでも、今も一ばん愛着を持つのは「猿飛佐助」です。これだけは『立川文庫』にじっと坐っていてほしいと 思います。今も何かでこの名を見ますと、とっさに自分の肉身が不当な扱いをうけているような、また、こんなにも過分にかわいがられているのかと嫉妬のよう な念でながめ、あるいは恐いもののように目をそらしてしまいます。(後略)
  ──『女紋』池田蘭子/河出書房/S35刊

「猿飛 佐助」が『立川文庫』でこの世に生を受けたのが大正2年、池田蘭子先生が上述記されたのが昭和34年、鬼籍に入られた昭和51年まで、「猿飛佐助」という キャラクターが数多の人々の手によって、新たに解釈を加えられ各々に再構築されて、映画になり小説になり、漫画などにもなって大衆に愛され続けていくの を、どのような想いで見つめておられたのか、おそらく文字通りかと思います。
利己的な愉しみを希求するあまり、二次創作などに勤しむ私奴などは、胸に刻んでおくべき“創造主の述懐”かと思いました。
いろいろな思いが胸を過って、ぼろぼろ泣いてしまいました。
門外漢の私が言うのはおこがましいのですが、「猿飛佐助」をはじめとする勇士たちは大衆の中に一人歩きを始めてすでに久しく、創造主が省みられないことも多いように思います(史実に在る人だと認識されていることもあると聞き及びます)。
けれど、彼はもう大衆のものと甘えずに、やはり“原典”に敬意を払い尊重する姿勢であれたらと思います。
私は「猿飛佐助」を題材にした既存の物語には、そこそこ触れてきたつもりですが、いつでも『立川文庫』に馳せる憧憬と、彼を創造された先生方に対する畏敬の念を忘れたことはありません。
作品とキャラクターを肉身のように愛する創造主の矜持に対して真摯であるために、是非全編一読してみたいという思いは、強くなるばかりです。
後進のためにも、『立川文庫』は全編復刻されるべき逸品なのです!
…っちゅーのは置いといて、詰まるところ何が言いたいかというと、原作はリスペクトして然るべき、ということです。
名のある制作者による『立川文庫』を素地とする数々の名作と、自分の木っ端二次同人誌をごっちゃにする気は毛頭ありませんが、妄想は自由だと、それをカタチにして発表する場も多く在る状況を盾に、原作を軽んじる愚昧だけは避けたいものです。
「肉身が不当な扱いをうけているような」行為に他ならない以上、大好きなんです!っていう想いより他に、言い訳の仕様はないかなと思いました。通るかどうかは別ですが。

ところで本編中に、由利りんは大地震の揺れの真っ最中に生まれたことにする!ってあるんですけど、このエピソードはやっぱり誌題にその名の冠されておる、第62編っすかね。
なんとなく、適当なとこで脈絡も無く「かれこれ云々と生を受けたこのわしが~」とかやってそうな気もしますが。
ああもう、読みたいな~ε=(´Д`*)

 

完全復刻版!

うわ~ん!これ京都で見たやつだ~!!ビンボー学生にゃ到底手が出ないと涙をのんだアレだ!(T^T)
百戦錬磨の店主の前に泣く泣く膝を屈した、豪華化粧箱入りの!アレですわ~んvv
『完全復刻立川文庫』!ついに、ついに、私の手許へ!!
すっごい安価で手に入ったので、流れがキテるとしか思えません…///
箔がまぶし~!!まさに豆本、超!読みにくい~v
佐助ちゃんは文明堂の初版と併せて2冊目ですが…文庫等も併せると何冊持ってんだかιってカンジで、特に目新しい情報もあるワケでもなく、単にコレクターズアイテムになっちゃってるよな…と母と話しておりましたが、やっぱりめちゃめちゃ嬉しいです~vv
先日、夢の忍者本もすごい安価でみつけたんですよね…(´Д`*)
次、上京するのホント楽しみですわ…。
目録にあったからって店頭にまだあるとは限らないんですけどね、夢を膨らませております!

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